海外口座を使って勝てないと嘆いているのはスタートラインにも立っていない
トレードをするために必要となる口座は、基本はしっかりとした国内業者のものを使うべきです。
有名どころであればGMOクリック証券のFXネオやDMMFX、ヒロセ通商のLIONFXあたりも人気です。
これらの口座であれば資金がとんでもなく大きくなるなどでもなければ、どれを使っても特に目立って不利な条件でのトレードを強いられるということはないでしょう。
ただ、海外口座となると話は別です。
少額トレーダーの味方のように思えてしまう海外口座
ここでいう海外口座とは、国内での認可を得ていないのに日本国内で顧客を募っている業者を指します。
SNSなどで偽りの爆益報告や改ざんした取引履歴とともに、怪しげな口座開設用URLが添えられているようなところです。
これら海外口座は
- 異常なほどの高レバレッジ
- 証拠金がマイナスにならない
- 入金ボーナスがある
などといった特徴があります。
国内口座は個人であれば25倍までのレバレッジになるのに対して、海外口座は数百倍といった異常なほどのレバレッジがかけられます。
つまり少額でも大きな取引ができるわけで、一発逆転を狙う方には魅力に感じます。
ただ、それだけの高レバレッジだとレートが飛んだときに証拠金がマイナスになるのではないか…という不安が付きまといます。
この点は海外口座お得意の「ゼロカット」とされる仕組みによって、証拠金がマイナスになるような損失を出しても、証拠金がゼロになるだけで追証はないということで回避ができます。
さらにさらに、海外口座の多くは入金額に対して一定割合のボーナスを付けるところが多いです。
20%や30%、あるいは100%となるところもあります。
例えば、5万円を入金すれば20%ボーナスなら1万円が、100%ボーナスなら5万円が上乗せされて証拠金に追加されます。
少額トレーダーにとっては、まさに心強く思えてしまうのが海外口座なのです。
ゼロカットは誰が負担するのか
ここまで見れば、少額でFXをやるなら海外口座を使わない手はないと感じてしまうかもしれません。
しかし、冷静に考えてみればこんな条件でまともなトレードができるわけがないのです。
異常なほどの高レバレッジからくる無理なトレードで、顧客の証拠金がマイナスになるような損失が出た場合はその損失は誰が補填するのでしょうか。
海外口座を紹介しているところではその分は業者側が負担してくれているなどと書かれていますが、そんなわけはありません。
国内口座であれば当然ながらその損失は自身で補填しなければならず、それは証拠金取引である以上は当たり前のことです。
それを業者側が負担してくれるなどはあり得ず、その分の帳尻合わせというのは顧客側にかえってきます。
そもそもが海外口座はインターバンクに注文を流していると言いながら、実際にはほとんど呑んでいるので嘘ばっかりなわけです。
海外口座ほど不利な条件はない
それでも入金ボーナスもあるし小資金でトレードをするには助かる、とまだ海外口座に魅力を感じるかもしれません。
でもそのボーナスは結局は顧客側は負担するわけです。
どのように負担することになるかといえば、広いスプレッドとひどい場合にはストップを付けにくる異常レートです。
基本的に取引手数料が無料になるFXにおいては、スプレッドコストがいわば手数料です。
国内口座であればドル円は0.2銭前後のスプレッドとなるところが人気ですが、海外口座では1.5銭程度になることが多いです。
仮に国内口座で0.2銭、海外口座で1.5銭とした場合は、1トレードごとに1.3銭ものコストの負担が生じるわけです。
はっきり言って、1.3銭ものコストの差があったら勝ち続けていくのは不可能です。
勝てない状況、どう見ても不利な状況でやっていても、勝てるようになる日は来ないのです。
勝てない方が海外口座を使って勝てるわけがない
勝てないと嘆いているのに海外口座を使っているのは、FXで勝ちたいのかただギャンブルがしたいだけなのか分かりません。
FXで勝ちたいならわざわざ不利な条件となる海外口座を使う意味は一切ありません。
仮に海外口座で勝ったとしても、国内口座と比べて遥かに高い税金がかかるのも理由の一つです。
それでも海外口座で勝てる、勝ってる人もいるとまだ信じてしまう方もいるかもしれません。
それなら、なぜいわゆる「億トレ」と呼ばれる億単位の生涯収支をあげるFXトレーダーで、海外口座を使っているのは一人も存在しないのでしょうか。
高レバレッジで資金効率が良い、ゼロカットでマイナスにならず安心、ボーナスもあるとなれば、勝てるトレーダーは海外口座を使えばより効率的に勝てるはずです。
しかし、実際に勝っているトレーダーで海外口座を使っている方というのは、残念ながら存在していないのです。
FXで勝ちたいなら国内口座以外はあり得ない
ゼロカットを前提をしたフルレバレッジでのギャンブルがしたいというのであれば、好きに海外口座を使えば良いでしょう。
しかし、FXで勝ちたい、今後も継続してFXで収益をあげたいと考えるなら、海外口座を使っていてはその望みが叶うことはないです。
国内口座を使っていても勝てないままで終わってしまうことが多いのがFXですが、海外口座を使っていればその可能性もゼロのままです。
FXで勝ちたいなら、まずは手っ取り早く収支の改善に繋げられる低スプレッドによるトレードコストの削減から入るべきではないでしょうか。
さらに言えば安定したシステム、仮に何かあったときの安全性という面でも、国内口座はとにかく強いです。
海外口座でも信託保全はしていますとはいっても、難癖をつけられて出金を拒否されるなどは日常茶飯事です。
大事なお金を、海外口座のそんなリスクにさらせますか。
余計なリスクは増やすべきではない
ただでさえリスクがあるFXは、それ以上に余計なリスクは増やすべきではないのです。
まずはリスクを最小限に抑えて、勝つ勝たないはその次に考えるべきです。
国内口座ですら相場の急変時は注文が通らないというリスクがありますが、海外口座はそこまで激しい動きでなくても、約定拒否などもよく起こります。
約定したと思ったらかけ離れた異常レートになっているということもとにかく多いので、少額トレードには有利な条件だと思っていた海外口座が、気が付けば不利な条件でのトレードになっていたというわけです。
しかしこのあたりは気付かない、気付けない方も少なくありません。
目先の高レバレッジや入金ボーナスに目がくらんでしまうため、不利な条件でのトレードを強いられていることに気付けないのです。
そんな状態でFXをやっていても、当然ですが勝てるわけがありません。
つまり、海外口座を使っていてFXは勝てないと言っていても、それはスタートラインにすら立てていないというわけです。
そもそもが国内の認可を得ていない海外口座は、国内の法律に反している違法業者です。
そんなところを使ってまともにトレードができると思うほうが間違っています。
FXで勝ちたいならしっかりと法律を守っている国内口座を使い、勝つために必要なことを一つずつやっていくしかないのです。