感情を捨ててのトレードなんてできるはずがない
FXは負ければ感情的になってしまい、どうしても無理なトレードが増えてしまうものです。
後から振り返ってあのときに感情的にならなければ勝てていた、感情的にならなければFXは勝てるのに、と思う方もいるかもしれません。
というより、多くの方はそんなふうに思って、感じています。
だからこそSNSやネット上の情報では「FXは感情を捨てろ」だの、「FXは感情のコントロールが大事」だの書かれているわけです。
中には「FXで勝つためには感情を捨てなければならない」などというワケの分からないことを書いているところもあり、それを鵜呑みにして固定されたトレードルールを作ろうとする方もいます。
果たしてそれは、本当に勝てるのでしょうか。
感情は捨てられるわけがない
FXに感情はつきものです。
どんなにうまいトレーダーでも、どれだけ長い期間に渡って専業としてやっているトレーダーでも、感情によってトレードはブレます。
感情を捨てているトレーダーなどは存在しません。
負ければ取り返したいという思いが出るのは当然で、言ってみれば負けられない環境にいる専業トレーダーのほうがその感情は強くなることもあります。
サラリーマンの方などの兼業トレーダーなら、最悪FXで負けても給料があるので生活に困ることはありません。
しかし、専業トレーダーで負けが続く、いわゆるドローダウンが続くような状況になってしまえば、感情によってトレード内容のズレ、精度の低下は招いてしまいます。
これは仕方がないことで、FXで感情を捨てるというのは無理な話なのです。
感情を捨てるにはどうするか
捨てられないので考える必要もありませんが、よく見るものとしては
- トレードルールを定める
- LOTを抑える
などが感情を捨てるために必要などとあります。
トレードルールとは明確なエントリーポイントを決めて利確も損切りも明確に決めておけば、感情によってトレードがブレることはないという理屈です。
ただ、負けが続けば取り返したくなるもので、普段のエントリーポイントより早くに入ってしまったり、別の根拠でポジションを持ったりします。
これはどうやっても避けられません。
守れないのが悪い、感情的になってしまう自分が甘いというわけではなく、ルールでガチガチに固めて感情が介入する余地を与えないという考え自体がおかしいのです。
ルールを定めるのもLOTを抑えるのも効果は薄い
ルールは定めるだけ意味がなくて、結局は「ルールがダメだった」という逃げ道ができてしまうだけです。
自身のトレードがいけないのに、ルールのせいにできればそれは楽なことだからです。
もう一つのLOTを抑えるについては、負けが続けば取り返したくなり、抑えていたLOTを開放します。
これ自体は悪いことではなく、LOTを上げればそれだけ真剣にトレードに取り組むので、新たな発見なども出てくることもあります。
とはいえ、それならはじめからLOTを上げて、はじめから真剣に取り組んでおけば良いだけです。
感情を抑えるためにLOTも抑えるというのは、そもそもトレードに真剣に取り組むことを放棄しているに過ぎません。
LOTを抑えて浮き沈みする金額を少なくしても、極端に抑えてしまえば真剣さにかける適当なトレードをするだけになってしまいます。
それで勝てるほどFXは簡単ではありません。
感情は入るものと考えて取り組む
FXで何とか勝ちたいのであれば、感情を捨てるということを考えるのは意味がありません。
感情は絶対に入るものとなるので、感情が入ってしまった場合にどうするかを考えるべきなのです。
負けが続くなどして感情的になった場合、そのときのトレード内容はどうなっていたか。
収支はやっぱり悪いのか、それとも意外にも良いこともあるのか。
こういった部分の自己分析をしていくほうが、感情を抑える無駄な努力をするよりも遥かに役に立ちます。
感情が落ち着くのを待つことが大事
FXで大事なのは、トレードの際の感情を抑えることではありません。
負けてしまったとき、勝てないときに感情的になったと感じたなら、感情が落ち着くまで待つことのほうが大事です。
上で触れたように感情的になったときのトレード内容の分析が必要ですが、感情的になったときのトレード内容が意外に悪くないのであれば、そこまで気にすることはないかもしれません。
ただ、多くの方は感情的になったときに大損をしてしまうことが多いので、それなら感情が落ち着くまで待つしかないのです。
そのままトレードをして勝てるなら別ですが、たぶん無理でしょう。
耳障りの良い言葉に振り回されない
SNSでフォロワーが多いインフルエンサーのような人や、セミナーをやっていたり本を出版していたりする人、何だか有名そうな人が監修しているとされるネット上の記事などは、実際のトレードには役立たたない場合が多いです。
あれはもっともらしいことが書いてある、言っているだけなので、耳障りはとても良いものです。
しかし、あくまで理想の形を言ってるだけに過ぎません。
実際のトレードに挑む場合のメンタル面の負担、ダメージとは大きくかけ離れています。
感情を抑えなければダメ、感情的になったら勝てない、負けるなどというのはまさにそれで、あくまで理想のトレーダー像を描いているだけです。
もし目指すのがどこに存在しているか分からない理想のトレーダーなら好きにすれば良いですが、勝ちたいのであれば、勝つための情報というものを自身で選別しなければなりません。
感情的にならなければ勝てると信じているなら感情を抑える努力をすべきですが、感情を抑える努力とは何でしょうか。
上に挙げたトレードルールにしても、そんな単純なトレードルールで勝てるほどFXは簡単ではありません。
感情を入れないとなると決済も固定でOCOとなりますが、OCOだけ使って長期に渡って収益を上げ続けているトレーダーは残念ながら見当たりません。
勝っているトレーダーは皆、感情的になるのは仕方がないとしても、そのときにどう対処するかをそれぞれで考えているのです。
感情的になったと思ったら気分転換が一番
負けが続いたりしてちょっと雑なトレードをしてしまった、危ないポジションを持ってしまったと気付いたら、いったんチャートから離れるのが最も確実で安全な対処法です。
チャートから離れるとせっかくの挽回チャンスも逃してしまうと思うかもしれませんが、感情的になっている状況でのトレードをしたところで挽回はできません。
それどころか損失を増やすだけなので、感情的になっているなと気付けたなら、散歩に行く、お風呂に入る、ご飯を食べる、一服をするなど、何でもいいので少しの間はチャートを見ないようにしたほうが良いです。
チャートから離れると感情的になった原因というのも頭に浮かんでくるもので、その間に何がいけなかったかの反省もできます。
しっかりと反省をして感情も落ち着いたと思ったら、またチャートを見てトレードをすれば良いのです。
今日勝たなければゲームオーバーというありもしない状況なら別ですが、今日負けても明日勝てば結局は勝ちなわけです。
時間を見て無理そうならやめるという選択肢
FXは基本的に24時間動いているとはいっても、24時間トレードをする方はいません。
寝る時間などもあり、例えば0時や1時ぐらいに寝ると決めている方なら、23時を回ってきて感情的になっているとなれば、その日はやめてしまうというのも一つの方法かもしれません。
その時点でやめておけば大した損失になっていない場合が多く、翌日以降で余裕で挽回ができる範囲だったりもします。
時間が限られているとなるとどうしても焦ったトレードにも繋がってしまうので、無理にやるぐらいならその日は諦め、翌日以降にかけたほうが結果も良いものとなる可能性が高いです。
ただ、感情的になったとき、挽回してやると思ったときほど真剣にチャートを見ることもあるので、これは個々人によってどうするかは変わってくるところです。
感情的になるのは必ずしも悪いことではない
感情にまかせたトレードをしてしまうのは良くはありませんが、感情的になること自体は決して悪いこととは言えません。
感情的になったことで必死にチャンスを探すことがあり、その結果として普段では考えられないエントリーポイントや収益の機会が見付かることもあります。
これは感情的になって、必死になって負け分を回収しようとしたからこそ発見ができるものです。
その気持ちがなければいつも通りの守りのトレードをしていただけで、じりじりとお金を減らすだけだったかもしれません。
感情にまかせためちゃくちゃなトレードは論外ではあるのですが、こういった側面も持っているので、FXで感情が入ってくるというのは必ずしも悪とは言えないのです。