スマホでのトレードは勝てない、負ける理由がいくつも存在する
スマートフォンの普及に伴い、FX会社各社はそれぞれでトレード用のスマホアプリを用意しています。
以前のガラケー自体の機能性に乏しいものとは異なり、スマホアプリでも十分な環境でチャート分析やトレードができるようになっています。
通信速度も上がっていることでレート配信やチャート更新、約定スピードなどもパソコンに比べて大きく劣るということはありませんが、だからといってスマホでのトレードを推奨するわけではありません。
やはりしっかりとトレードをするなら、スマホではなくパソコンが基本となります。
スマホでのトレードは見落とす箇所が多くなる
GMOクリック証券やヒロセ通商のLION FXなど、機能に優れるスマホアプリを用意しているFX会社はいくつかあります。
単純にトレードをするためだけのものではなく様々なインジケーターや分析ツールを使って、チャートから値動きを予測することもスマホアプリから行えます。
ただし、いくら優れているとはいっても当然ながらパソコンには劣ります。
パソコンというよりカスタムインジケーターを入れられるMT4、MT5にはどうしても劣るため、スマホアプリでパソコンのように詳細な分析をしてトレードをするというのは難しいです。
そのため、自分ではしっかりと分析をして確認をしたつもりが、後からパソコンで見てみると大事なポイントを見逃していたというのもスマホアプリではよく起こることです。
分割表示をすると小さくなりすぎる
どのようなトレードスタイルであっても、一つのチャートをしか見ないということはありません。
いわゆるマルチタイムフレーム分析というもので、メインで見ているチャートの時間軸とは別の足も見て状況を判断するのがFXの基本です。
例えば1分足でトレードのタイミングを取っているとしても、直近の流れを見たり何らかの重要なポイントを見るために5分足や15分足、60分足も確認します。
これはパソコンならMT4やMT5、または各社のトレードツールを使ってチャートを分割して表示をしても、一つあたりのチャートが極端に小さくなるということはありません。
しかし、スマホアプリでこれを行うと、ただでさえ小さな画面に四つのチャートを分割して表示をすることになるため、もはや一つあたりのチャートは分析ができるような状況とは言えなくなってしまいます。
分割表示ができるだけありがたいのですが、だからといってパソコンのように様々な時間軸を見て詳細に分析をするというのは難しいです。
スマホトレードに潜む見えないリスク
スマホでのトレードにはその他にもいくつかのリスクがあります。
特に気を付けておきたいのが通信エラーによるレート更新の停止、アプリの再起動です。
こればっかりはどうにもならず、通信環境の悪いところでスマホでトレードをしようとしたことを後悔するしかありません。
ゆったりしたトレードであればそこまで気にならなくても、細かな素早いスキャルピングなどのトレードをスマホアプリで行おうとしているなら、それは少し無謀な挑戦となってしまいます。
通信エラーは非常に厄介
どのような環境でも起こり得るリスクとしてあるのが、通信エラーによるトレードの一時中断です。
アプリを再起動するなどですぐに復旧できますが、問題となるのが通信エラーになっていると分かるまでの間のタイムラグです。
通信が切れるなどすると大体はウィンドウが出て再接続を促すようになっていますが、そのウィンドウは通信が切れてすぐに出るとは限りません。
繋がりにくくなっている状態でも繋げようとして、それでも繋がらないと通信エラーとしてウィンドウが出てくるため、実際に通信が切れてからウィンドウが出るまでの間にはどうしてもタイムラグが生じてしまうのです。
その間はレートやチャートの更新は止まったままになってしまい、当然ながら注文を出しても通信がされていないので通ることはありません。
レートやチャートを見て動きが悪いな、今は動いていないかと思っていると、じつは大きく動いているのに通信エラーで更新が止まっていただけ、ということも十分に起こり得るのです。
スマホだけで簡単に勝てるわけがない
なぜかFXは簡単に勝てるというような情報商材などを多く見かけます。
スマホだけでできるといったような謳い文句も見受けられますが、残念ながらスマホだけでFXで簡単に勝とうというのは無理な話です。
パソコンから真剣にやってもなかなか勝てない、多くの人が勝てずに引退をしていく中で、スマホだけで片手間でやって勝てるわけがないのです。
スマホを使って真剣にやる、片手間じゃなくてスマホしかないけどそのハンデをカバーするぐらい必死にやるというのであれば別ですが、スマホだけで空き時間にちょっと操作して勝ちたいと考えているなら、FXはやめたほうが身のためです。
そんな気持ちでFXを始めても、大事なお金を失うだけになってしまいます。
スマホで注文をするだけならかなり有用
通信環境がしっかりとしていればという前提ですが、スマホアプリを使って注文をするなら使い道は大いにあります。
一つの使い方の例としては、パソコンのモニターでMT4やMT5を使ってチャートを見ていると、画面を占有されるのでどうしても注文パネルを置く場所に困ることがあります。
スピード注文、クイック注文などのパネルが独立できるツールなら問題はありませんが、そうではない場合にはツールの置き場、注文画面の置き場に困り、結果としてチャートの表示領域を狭くしなくてはならなくなるかもしれません。
それでは意味がないので、MT4やMT5に画面を占有されているなら、注文だけはスマホアプリで行うというのも悪くはないわけです。
上でも触れているように各社ともスマホアプリにも力を入れており、レート更新や約定力もパソコンと比べても大差がなくなっています。
チャートだけはパソコンで見て、注文はスマホアプリでといったやり方であっても、操作さえスムーズにできるのであれば特に問題なくトレードができてしまいます。
どんなに高機能でも使い方次第
スマホアプリが優秀だからと言って、そのアプリを使えば誰でも勝てるわけではありません。
その機能をどれだけ生かせるか、使いこなせるかはやはりFXの経験が重要になってきます。
とにかく経験を積む、チャートを見て値動きを知る必要があるので、もしFX口座をスマホアプリの機能性で選ぼうとしているなら、まずはその機能が使いこなせるだけの経験があるかを自身で確認をしたほうが良いです。
まだそんなに経験もない、いくら機能があってもそもそも値動きが分かっていないというのであれば、スマホアプリでFX会社を選んでもトレードに役立つ可能性は低くなってしまいます。
スマホでのトレードは勝ちにくい
スマホでのスキャルピングなどと言われていることもありますが、たしかにやるだけならスマホでもスキャルピングは可能です。
レート更新も約定スピードもサクサクであればスマホでスキャルピングはできますが、できるだけであってスマホのスキャルピングで勝てるとは言っていません。
瞬時の判断力が試されるスキャルピングはどう考えてもパソコンのほうが圧倒的に有利であり、スマホのスキャルピングで勝とうというのは無駄にハードルを上げているだけです。
スキャルピングに限らずですがスマホでのトレードはパソコンに比べると難易度が上がるのは言うまでもないので、スマホトレードは勝てない、絶対に負けるとまでは言いませんが、勝ちにくくなるのは事実です。
そのハンデを知った上でスマホでトレードをするか、メインはパソコンでスマホトレードは補助的なものとするかは、しっかりと考えたほうが良いでしょう。